十二国記〜東の海神 西の滄海

小野不由美「十二国記〜東の海神(わだつみ)西の滄海」

出版社/著者からの内容紹介
「国がほしいか?ならば、一国をお前にやる」これが、雁州国延王(えんしゅうこくえんおう)・尚隆(しょうりゅう)と、延麒(えんき)・六太(ろくた)とが交わした誓約(ちかい)だった。民らがかつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸(ようや)く新王が玉座(ぎょくざ)に就いたのだ。それから20年をかけて、黒い土は大地にと、生まれかわりつつある。しかし、ともに幸福(やすらぎ)を探し求めたふたりのこどもの邂逅(めぐりあい)が、やがて、この国と麒麟(きりん)と民との運命を、怒濤(どとう)の渦に巻きこんでいく!!



何を書いても、ネタバレになってしまうそうなのだけれど・・・。

この十二国記(ホワイトハート版)の最初の2冊に出てくる慶国の陽子の物語の中に、登場する、くだけた王&麒麟・・その二人の出会いと信頼関係を構築していく間の物語。
時系列でいうと、この物語がシリーズの最初にあたるのかな。
陽子の物語の中で、500年の治世を迎えていた延王尚隆。
この物語の中では、まだ20年に満たない統治で、荒れていた大地に緑が戻ったという時期・・・・
他の物語の中でも描かれているが、王がきちんと王座につき、きちんとした政治を行えば、(このシリーズの中では)妖魔は減り、天候も安定し、土地は肥沃になる。が、王が変わったからと言って、それまでいた役人全てを罷免することはできない。即座に全てが好転するわけではない。そして、20年が過ぎ、やっと膿が出るべきときがきた・・そういう時期が舞台の物語だ。

延麒六太は、虚海の東にあるといわれる蓬莱(倭)で生まれ、そして捨てられた。同じ頃、はるか西の元州で生まれ同じく捨てられた子供がいた。彼はどうしたことか、妖魔に育てられ、そして二人はある夜、空の上で偶然出会い、六太は彼を更夜と名づける。
この出会いが原因して、六太は尚隆と離れ離れになり、国の存亡をかけた戦いが勃発する。

そこでの、尚隆の鮮やかなこと!
彼は、やはり王なのだと改めて思わされる。
このシリーズの中でも、特にファンが多いのではないだろうか。
王の心の中を、考えを見透かすことの出来るものは側近にもいない。が、彼を信じて従うことで、彼の意思はきっちり反映される。
情に篤く、厳しく、人心を掌握する王。
また、延麒である六太との信頼関係が深まっていく様も読み応えがある。

更夜が切ない・・が、きちんと救いはある。
あぁネタバレになっちゃうけど・・・このシリーズの後のほうでもそれをうかがい知ることが出来て嬉しい。
東の海神西の滄海 東の海神西の滄海
小野 不由美 (1994/06)
講談社

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