時代小説など

読んだ本をとりあえず。

はやみねかおる「ぼくと未来屋の夏」(2003年、講談社)図書館にて。:主人公山村風太は小学校六年生、作家になる夢を持つ。そんな彼が夏休み前日、不思議な男と出会う。彼は「未来を売る」という。怪しいやつ・・・ところがひょんなことから彼は風太の家に居候を決め込む。そして夏休みが始まり風太の周りで色々小さな不思議な起こる。そして、それらは、未来屋猫柳さんによって解き明かされる。
ん〜ちょっと物足りない。面白くなりそうってとこで終わった感じがする。生き生きした物語なんだけど。

出久根達郎「御書物同心日記〜虫姫」(2002年、講談社)図書館にて。:以前にもこのシリーズを読んだことがあると思う。その続編。とにかく本好きの同心、東雲丈太郎は、江戸城内にある紅葉山御文庫(将軍家の蔵書)の管理をする御書物同心である。(今でいう司書のような役割のようだ)その彼が、御書物蔵や自分のかかわりのある古書店などの絡みで小さな事件に巻き込まれ、解決したり、うまく処理したりしていく。たまには、古書屋に化けて、古書の買い付けまでしちゃうほどの本の目利きであると共に、狼藉者を素手でやっつけるくらいの武芸の心得もある男である。
この起きる事件が結構楽しい。蔵書の中の一休禅師の直筆を装丁の見守り係を務めたときの事件、本来安く沢山出回っている本なのだが、その性質ゆえに美本が見つからないという本を探索する話、またその本に絡む後日談。不浄の死を遂げたものの蔵書を保管する場所、買い付けた本が1冊行方不明になる話、それに、ほのかな恋話・・・面白い。この時代にも本の虫と呼ばれる人はいたんだなぁ。笑。

鳥羽亮「剣客春秋〜里美の恋」(2002年、幻冬舎)図書館にて。:これまた時代小説のシリーズもの。これは第1作目のようだ。
神田豊島町で一刀流中西派の千坂道場がある。その道場主千坂藤兵衛は勿論、その娘で男勝りに剣をつかう里美はなかなかの使い手である。
その彼女&父は、まっすぐな気性をもつ人間なのだが、不思議と事件に顔を突っ込んでしまう。
池波正太郎さんの「剣客商売」にちょっと似ているけれど、なんとなくまっすぐな感じがする。剣客商売には清濁併せ呑むといった感じが強かったけれど、これは正義が前面にでているというか。でも、面白かった。続きを読むのが楽しみ。

嶽本野ばら「シシリエンヌ」(2005年、新潮社)図書館にて。:ひゃ〜〜〜〜。濡れ場につぐ濡れ場といった小説。いやはやびっくりした。
   

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興奮気味に

荒川選手、金メダル!!
やった〜〜〜
ずっと見てきたフィギュアスケート、その中でも
荒川選手のメダルはさすがの一言。
以前世界選手権で金メダルをとっているせいか、今回は
最初からすごく貫禄を感じた。
元女王が、現女王に。


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よしもとばなな「王国 その3 ひみつの花園」三浦しをん「秘密の花園」

よしもとばなな「王国 その3 ひみつの花園」(新潮社、2005年):図書館にて。予約まちでようやく手元に届いた1冊。
わくわくしながら、最初のページを読んだときから、気分がぐんっと重くなる。懐かしい雫石に会えた・・というような感慨より先に、「あぁこの書き出しだと、例の人とは別れたんだ」と思ったのだ。
こういう書き方は実は好みではない。先に辛い結論がでてきて、それをなぞるように、回想するように、だめになった経緯が語られるパターン。本来ハッピーエンドが好きなので、辛い。
でも、読んでしまう。雫石がどういう風にそうなったのか。
読み進めると、どんどん彼女が不思議な感じになっていく。前以上に、現実感がなくなり、可愛いものがたりの感じになっていく。彼女の考え方や、思いは共感できて、ときには、ぐっと胸に来てしまったりもする。(楓の元婚約者と高橋くんの母親を比べてしまうところとか)
なのに、雫石が語る言葉は、普通の会話とは違って、それが、言葉として描かれていても、地の文のように思える。
そこが奇妙な魅力となって、どきどきする。自分の頭の中で組み立てる文章が、雫石の影響を受けてくるのが分かる。不思議なパワー。
サイキックなものなどに全く興味のない私だけど、よしもとさんの小説やエッセイの中ではときにそういうものに触れる。あまりそっちにいかないで・・と思いながらも、そこがまたよしもとさんらしいとも思う。
全体をざっとまだ読んだだけなので、もっと丁寧に読み返そうと決心している。どろどろなのに、可愛らしく綺麗で手のひらで包み込んでしまいたくなるこの物語を。

三浦しをん「秘密の花園」(マガジンハウス、2002年):図書館にて。先日借りた一冊に三浦さんへのインタビューも載っていて、興味を抱いて借りた。ところが、偶然、「王国 その3」の副題と同じ題名だった。中身はかなり違うけど。
幼稚舎から大学まで続く女子校の高等部を舞台とした物語。
三人の少女、翠、淑子、那由多という少女がそれぞれ主人公の三篇の短編からなる連作短編集とでもいう小説。
男性の性欲に対する複雑な思いと経験を持つ那由多、教師との恋、平凡である自分に行きづまりを感じる淑子、超然として冷静に見える自分をうまく馴染ませることが出来ない翠。三人の今が描き出される。

女子校というものに在籍したことがない。ましてや、幼稚舎からずっと同じ学校で・・なんて想像もつかない。その中での派閥とかも。
だけど、女の子特有の友情の感じ(それは、那由多と翠のような本当の信頼関係とは異なる、もっともろく脆弱な淑子がその他と持つ友情)や、価値観のようなものは、懐かしい。
クラスの中で目立つこともなく、友人も沢山は作らず、なのに、注意深く見てみれば、とても魅力的で自分の世界を大切にもっている少女というのは、そんなにはいない。翠のような少女にであってみたかったし、そんな少女になってみたかった。
たとえ、一番苦労性だとしても。笑。
 
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博士の愛した数式(映画)

ちょっと前の話だけど、「博士の愛した数式」の映画を見に行った。
原作は大好きな小川さんの作品。
いつものちょっと意地悪な感じが、やや薄まったようなお話・・という印象を原作に対しては持っていた。
それを映画化ということで、どういう風になるのか・・とちょっと不安も抱きつつ。
勿論、私の抱いていた博士のイメージは寺尾さんとは大きく違っていて、もっとお年寄りで、もっと細くてしわがあって・・とイメージだけ挙げたらとどまるところはないのだけど、実際に寺尾さんが出た瞬間、博士は彼になった。
背が高く細く、背広があっていないような感じとか、(原作より紙切れは少なかったけど)雰囲気がすごく出ていて、博士が現実化した瞬間だった。
原作を読んでいないメガネさんは、隣で、寺尾さんの登場と同時に半泣き・・・。その前に語られる博士の記憶にまつわる話と寺尾さんのどこか抜けたような顔が一気にぐっときたそうだ。

というわけで、博士に対しては全く違和感なかったし、ルートの吉岡くんが、語り手であるということ(原作ではお手伝いさんが語り手)や、今現在高校の数学教師をつとめるルートが数学&数式&博士との出会いや思い、思い出を語る・・・という形式もすんなり馴染めた。
子供時代のルートのこ(「光とともに」のヒカルくんの役をした子だと思う)も吉岡くんに似ていて楽しかったし。浅丘さんの存在感はすごいなぁとも。好きな女優さんだ。博士が住んでいるお家の感じとかも原作より、温かみがある感じでよかったと思う。
ただ1つ、深津絵理さんがお手伝いさん役じゃなくても良かったような・・・。彼女自体は嫌いじゃないんだけど、なんだかいつも同じような・・・。
でも、全体を通してすごく好きな感じの映画だった。

原作を大好きだと勧めてくれた友達にぜひ見てもらいたいと思った。ね、みやび〜〜。
また、うちの母上が好きそうだなぁ・・とも。
淡々としているけれど、暖かく透明感があり、いい。

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セイヤーズ、ポール、武田花

セイヤーズ「ナイン・テイラーズ」(創元推理文庫、1998年):再読。結構厚く、回りくどい感じもする一冊なのだけど、いったんその世界にはまりこんだら、一気に読めてしまう。訳のパワーもあるのだろうけど。
有名な探偵貴族ピーター・ウィムジィ卿とおつきのバンター(これが優秀!)は、寒い寒い年末、雪に閉じ込められた小さな村に迷い込む羽目になる。車がにっちもさっちもいかなくなったのだ。その村の教会には、美しい音の素晴らしい鐘があった。(日本の鐘とは違い、教会の釣鐘は沢山あり、この場合は九つかな。そして、転座鳴鐘という技術をもって数学的にも音楽的にも美しく演奏される・・らしい。笑)折からの流感の猛威で倒れた鳴らし手の代打をつとめたウィムジィ卿。ところが、その翌日、教会の墓地に見知らぬ死骸が出現した。
キィを握る鐘、怪しい男、盗まれた首飾り、盗人の元妻・・謎と秘密が錯綜し、全てはウィムジィ卿の頭脳にかかる。
丁寧で且つ、ユーモアがあり、面白く良く出来た名作。個人的にはバンターがお気に入り。

エレン・ポール「ジュリエットと気まぐれ詩人」(ヴィレッジブックス、2006年):たまたま本屋さんで手に取った1冊。最近また海外ミステリ熱が高まっている。
さて、この小説はシリーズ2作目。実は1作目は未読なのだけれど、十分楽しめた。1作目も読んでみたい。
主人公で探偵役をつとめるのは、イギリス摂政時代を舞台にしたロマンス小説(ハーレクインみたいのだろうか???)の作家であるジュリエット。新作の「キリスト教徒の紳士」執筆は遅々として進まない状況だ・・というのも、主人公の「紳士」のモデルとなった警察官マーレイとの仲も友達どまり、いい感じだった二人の関係はもう数ヶ月あってない・・という状態にまでなりジュリエットには新たに気になる男性が出現していたのだ。しかも、その日の彼女の憂鬱にはもう1つ原因があった。
そんな彼女が文通を続けていた彼女のファンである老婦人が押しかけてくることになったのだ。そしてやってきた老婦人エイダはジュリエットのイメージを大きく裏切るパワフル、わがまま、そして自己中心的だけど、とっても魅力的な女性だった。そんなエイダに振り回されるジュリエット・・ところが、エイダが行方不明に!そして死体となって・・なんと容疑者はジュリエット&今の彼氏(友達以上恋人未満といった状態らしい)!窮したジュリエットは、自らの潔白を証明すべく、マーレイの助けを借りて調査に乗り出す。
ジュリエットとマーレイの恋愛と捜査が同時進行で進む・・最近読んだミステリにはこのパターンが多いかも。
そういう意味では、新しさはないけれど、ジュリエットの職業や、エイダの個性が面白かった。

武田花「カラスも猫も」
(筑摩書房、1995年):写真家である武田花さんのエッセイ集。花さんのお母さんである武田百合子さんのエッセイが好きなので、読んだのだけど、お母さんに似ていると思う。いや、お母さんより客観的か。
冷静で、自分の世界を大切に持っていて、そしてそこから、外界を観察し続けている感じ。突き放したような、冷たいような・・でも暖かさもあって。ひとつひとつが短く、唐突で、楽しい。

他に図書館で借りたカニグズバーグ作品集とよしもとばなな×岡本敏子「恋愛について、話しました。」村上春樹「東京奇譚集」北森鴻「暁の密使」を読了。
竹田真「オアシス」も購入・・ただし犬のお話なので、読めないかも・・・。犬についての話は悲しいところとかがどうしても読めないので・・。
      


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バレンタイン大作戦

バレンタインディも終了。
デパートの地下に行く機会が二月に入ってから何度かあったのだけど、普段はない様々なチョコレート屋さんがたくさん出店していて、楽しかった。
特に学生時代に住んでいた町にあったチョコレート屋さんを発見したときは、びっくりだった。学校帰りにチョコを食べたこと、買ったこと、そしてチョコレートドリンクを飲んだことなどが走馬灯のように脳裏によぎった。
懐かしかった。まだあるんだなぁ。また行きたいなぁ。こんな離れたところで、お目にかかるとは・・。
卒業以来、神戸には行っても、その町には殆ど、足を運んでいない。随分雰囲気が変わったと聞いているその町、また学生時代の友人と歩いてみたくなった。

そんな懐かしい思いにふけりながらも、メガネさんと実家の父に、例年通りゴディバを購入する。父は仕事柄たくさん頂くので、私からは二個しか入っていないバレンタイン時期限定の商品。
メガネさんは、ビターチョコが好きなので、エキストラビターのバーを三本セットで。

それ以外にも、チョコレートケーキを焼いた。
ブラウニーは焼いたことがあったけれど、ケーキは初挑戦。お菓子つくりの強い味方、小林カツヨさんのお菓子のレシピ集などを繰り、チョコ関係のレシピを探す。
で、見つけた。小林さんのチョコレートケーキ。
いつも作るブラウニー(ケンタロウさんのレシピ)よりも数段らくちんそう。(←ブラウニーも簡単なんだけど、胡桃を炒って刻むとか、チョコを刻むとかがいつも結構大変なのだ)
チョコは入らない。ココアパウダーと薄力粉、卵、溶かしバターにお砂糖を使う。1つのボウルで出来る。こんな簡単でいいの??
できばえは・・ふっくらで、しっとり。
美味しい。
粉砂糖でお化粧して、評判も上々だった。
良かった。

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主婦探偵ジェーン・ジェフリィ

さてさて最も好きなコージーミステリシリーズのひとつが登場。

ジル・チャーチル「ゴミと罰」(創元推理文庫、1991年、持っているのは1993年6刷):セーラ・ケリングシリーズと同じ訳者さん浅羽さんが訳されているのもあって手に取った1冊。
七ヶ月前に夫を事故で亡くしたばかりのジェーン(実はこの夫、妻子をすてて駆け落ちしようと出たところを事故にあった。ジェーンにしてみれば、二度夫に捨てられたようなもの)の毎日は、残された三人の子供、マイク、ケイティ、トッドの学校への送り迎え当番および、PTAからみのこと、はたまた地域のボランティアなどで、分刻みの入り組んだスケジュールで満ちている。
日本と違う(早晩、日本もそうなる?)システムとして、学校の送り迎えは母親が車で当番制で行っているところ。子供の仲良し同士のグループの場合もあればご近所というだけで決めたグループもあるらしい。(長女ケイティのグループを後者の形で決めたジェーンは、ケイティにひどくうらまれている)
そんなあたふたとした日々を送るジェーンがうっかり忘れていたのが、親友であり隣人であるシェリィの家で催されることになっていた会合。シェリィは完璧な主婦でありまた恐ろしく凶暴なドライバーであり、またそういった会を取りまとめる名人(且つ鬼軍曹)。今回のような持ちよりパーティでは各々に割り振られた料理を確実にパーティの前に持っていかねば、雷が落ちること必死。というわけで、隣に続々とグループの女性たちが料理を届けるのを横目に見ながら、準備をするハメに。あたふたと町を回って材料をゲットし、やっと作り上げた人参サラダを持っていくと・・なんとそこには、シェリィが留守の間に掃除を済し、料理を持って来る人のために留守番していたはずの「ニコニコ掃除サービス」の女性が死体となって転がっていた!!
おまけに、当日彼女を殺せたのは、料理を持ってきた仲間の主婦の誰かだという・・・。
口うるさい姑の介入や、子供たちのこと、家のことを考え、一日も早い解決を望むジェーンとシェリィ。その望みがいつしか好奇心と捜査への参加に変わっていく。魅力的な刑事、メル・ヴァンダインに目もくれず・・。笑。
アメリカのお母さんって大変!と思ってしまう。複雑なお迎え順番から、いろんなPTAの催しの役員から、ボランティアの仕事、更に、子供の直面する事柄も日本とはまたちょっと異なる。そういった生活習慣なども楽しめるし、勿論ミステリとしても素晴らしいし、それを解決に導くのが独特の主婦の感覚(皿洗い機のタイマーとか)だということも面白い。お勧めの1冊。
ちなみに、このシリーズ、題名を全て、名作のパロディで統一している。「ゴミと罰」・・・勿論「罪と罰」のもじり・・笑。

「毛糸よさらば」(創元推理文庫、1992年):ジェーンシリーズ第二弾。
クリスマスシーズンを迎え、本来ならばすでにモミの木を飾るべき時期に入っている。ところが、あいも変わらず、様々な用事に頭の先まで埋まっている感じのジェーン、ジェフリィ家では、もみの木は勿論、飾りすら、まだ出ていない状態。
しかも、すでに編みあがっているとつい言ってしまったバザー用の鉤針編みがまだぜんぜん出来ていないのだ。しかも、そんな取り込んだ(ぐちゃぐちゃの)ジェフリィ家にジェーンの旧友フィリスが突如尋ねてくるという。恵まれた結婚をし、裕福なはずのフィリス、なんで?いつまでいるの?という疑問を押し込め、とりあえずは彼女を迎えに。ところが、出てきたフィリスは、はっきりいって最悪の青年を連れてきていた。聞けば彼女の息子だという。そして、滞在期間はかなり長そう・・・ため息をこらえるジェーンだったが、おりしもバザーのことで、友人フィオーナ宅へ行くこととなる。フィオーナは元伝説のロックスターの妻だった女性。が、彼の死後、他の男性と再婚し、静かな生活を送っている。そんな彼女の邸宅をバザーに借りることになっており、準備手伝いにフィリスも連れて行く。と、たまたまフィオーナ宅の隣が空き家であったことを見つけたフィリスはなんと、そこに住むと言い出し、その日のうちに入居してしまう。
そして、翌日には死体となって発見された・・・・。
またしても、見事に事件のど真ん中にジェーンがいる。笑。
今回はクリスマス行事のごたごた、子供たちとのかかわり、作り上げるべき手芸品などなど追いまくられている状態のジェーン。それでも犯人探しの腕はぴか一だった。面白い。

「クラスの動物園」(創元推理文庫、1996年):鬼軍曹であり、完璧な主婦、そして野蛮なドライバー、更にギリシア料理のファーストフードチェーンの社長婦人でもあるシェリィ。彼女の家はいつもぴっかぴか(なのに、彼女が雑巾をもっているところすらほとんど見かけない)。押しの強さでは天下一品、駐車違反切符を切ろうとしたおまわりさんを泣き出す寸前まで追い詰め、取り消させたのも彼女の業績(?)の1つ。
そんな泣く子も黙る完璧主婦、シェリィはジェーンの親友にして隣人。今まで巻き込まれた事件の解決もシェリィとジェーンのでこぼこコンビならではの発想で解き明かしてきた。
そんなシェリィがジェーンになんと、SOS?!
彼女、高校時代は今とは別人のように大人しく内気だったとか。そんな高校の同窓会の前に当時彼女が所属していたクラブの同窓会を催すという。普段ならそんなこと眉毛1つ動かさずにやりとげるであろうシェリィなのだが、高校時代の同級生の前では、どうしても内気な自分に戻りそうだ・・という恐怖から抜けきれないらしい。ジェーンに数々の見返りを約束して、その同窓会を手伝うことを約束させる。
登場した七人の女性、個性はてんでばらばら、しかも、全員に秘密がある様子・・・そしてうち一人が殺されてしまう。勿論、犯人は、グループの中に居る可能性が濃厚に。
親友の危機に立ち上がるジェーン。こういった同窓会とか、クラブとかっていうのがやはりちょっと日本とは違う部分もありつつ、似通ったところもあり(特に女性の気持ちとか)興味深く、また面白い。

  

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セーラ&マックスシリーズ

シャーロット・マクラウド「盗まれた御殿」(創元推理文庫、1990年、持っているのは1993年版):シャンディ教授シリーズとは変わって、今度はセーラ・ケリングシリーズ。
セーラシリーズは本来、「納骨堂の奥に」から始まる。以下以前、書いた「納骨堂の奥に」の感想。
・・・アメリカの旧家であるケリング一族(親戚内で結婚してしまうのも当たり前のような)の一員セーラが一族の古い納骨堂の扉を開くのに立ち合わさせられるところから物語は始まる。開いて見るとそこには何故か見知らぬ女性の他殺死体が!!あっというまに事件に巻き込まれ、そして彼女の家族(夫とその母)もその渦中に・・・。セーラが一族のしがらみのなかで上手く自分の気持ちを操って動いていく動き方も面白い。シリーズで随分沢山出ていて一作目であるこの本よりも後のほうが面白いと私は思っている。

これでは良く分からないかも・・だけど。セーラの夫アレグザンダー(絶世の美男子でセーラをこよなく愛してはくれたが、いかんせん、セーラの父と友達という年齢差があり、また恐ろしい姑と同居、更にふたを開けてみれば旧家とはいえ、財政事情はかなり苦しくありとあらゆる負担を自分の肩に背負っていた)はこの1冊目で死んでしまう。そして、この事件の中で、出会った盗まれた美術品の探偵マックス・ビターソンとセーラはその後いい雰囲気になっていくということを踏まえて・・・この「盗まれた御殿」はシリーズ第三作目。
夫の死後、土地建物こそあれ、お財布事情がかなり苦しいセーラは、残された邸宅を改築し、下宿屋を始める。(二作目「下宿人が死んでいく」)その際にも手助けしてくれた、マックスは、目下その下宿屋の店子であり、地下に住む。その下宿屋に住まう店子もなかなか個性的だし、また執事や女中といった役割を担う二人もなかなか面白いので、「下宿人が死んでいく」もお勧め。
そして、マックスとセーラの中は・・微妙な関係。セーラ自身の迷いがあるのだ。

そんな中でもマックスの誘いで様々な催しに出かけるチャンスが増えていく。そして、そんな中、美術館〜通称「マダムの御殿」で催された音楽会で事件が勃発する。警備員の一人が御殿のベランダから墜落死をとげるのだ。たまたま目撃者となってしまったセーラ、更に、舞台となった美術館に贋作が溢れていることに気付いた二人はいやおうなしに事件に巻き込まれる。個性的なイコン画家ウスペンカ自称伯爵夫人、盗難画の専門家であるビル、贋作画家ベンゴに、音楽などの総合プロディーサーといえば聞こえがいいがかなり怪しい感じのルペ・・個性的且つ、へんてこでなぞめいた人物総出演。セーラもマックスとともに今まで知らなかった美術界の裏と表の冒険へ繰り出す。二人の仲も進展??
という面白さてんこもりのミステリ。シャンディ教授とは、またちょっと趣がちがうのは、実際の町ボストンが舞台だからだろうか。全体的にシャンディ教授ものよりは、ちょっと重たい感じが漂う。

「ビルバオの鏡」(創元推理文庫、1991年、持っているのは1993年版):同じくセーラものの第四作目。
もともとは別荘として使っていたアイアン埠頭の家。ここには、故アレクザンダーの悲しい最後の思い出なども残った家だ。だが、新たな人生に出発したセーラは、マックスと息抜きをかねて二人のときを持とうと(ボストンの家では、女主人と下宿人ということもあり色々面倒)バカンスにやってくる。ところが、そこに見慣れない鏡が出現していた。さらに思うようにならない使用人、突如訪れた親戚のライオネルとその息子たちは全くデリカシーのかけらもない輩、ライオネルの母であるアビー伯母や、また今はなき姑と夫が所属していたヨットクラブの面々とも付き合わねばならなくなる・・。
親戚知人が入り組んでごちゃごちゃしている上に、殺人事件が起こり、しかも、その容疑者が愛するマックス!セーラも限界に。
が、真相はやはり、彼女の手の中によって明らかになっていく。
結果、二人の恋の行方もやっとゴールが見えてくる?!
なんといっても、うっとおしいけど、笑っちゃうのがアビー伯母。

「消えた鱈」(創元推理文庫、1991年、持っているのは1993年版):今回ははちゃめちゃどたばたなお話。セーラシリーズも第五弾。
セーラの親戚のジェム伯父(セーラの親戚関係は旧家のため、血族同士で結婚するなどとても入り組んでいるため、若いケリングたちは、老いたケリングをとりあえず「おじさん」「おばさん」と呼ぶ習慣がある。また、老いたケリングは若いケリングを酷使してもいいと思っている。笑)から新婚のセーラ&マックスにSOSが入る。
彼は名うての放蕩者であり、老いてなお、傍から見るとばかげているとしか思えないようなパーティや会合を楽しむ日々を送っている。勿論、その影には忠実なる下男エグバートの尽力があるのだが・・。
そのジェムが、新会長として望んだ「浮かれた鱈同志の会」で、会長たる証の「大鎖」を亡くしたというのだ。この浮かれた鱈同士の会というのもかなり面白い会なのだけど、ここで重要なのは、出席者がみなジェムと似たしゃれっ気のある老人たちで、なおかつ、大鎖の価値を良く知っている面々のみだということ。
その鎖の捜索をマックスが依頼されるのだが、そこへ、ジェムが階段で滑って転倒するという事故が起こる。その事故も仕組まれたことだったことが分かる・・。また浮かれた鱈同士の会のメンバーたちが総出演するあるパーティ(なんと、本物の汽車を買取、自分の敷地内に走らせその中で催される)で殺人も・・・。
今回はマックスが大活躍。セーラはあまり出てこず、ちょっと雰囲気が違う。が、老いた放蕩者ジェムの魅力満載。ジェムとエグバートはセーラシリーズの中でも屈指の名コンビだろう。

「唄う海賊団」(創元推理文庫、1992年):盗まれた名画をめぐってヨーロッパへ出張中のマックス。かたや、セーラは、エマ伯母(言うまでもなく、親戚の伯母様ということ)が主催し、親戚も大勢参加する「プレザンス海賊団」という素人劇団によるギルバート&サリバンの公演の手伝いに借り出されている。このチャリティ公演は毎年恒例且つ、地元では有名で、ことに、主演をつとめるエマ伯母の美声と存在感と事務処理能力、カリスマ性は傑出している。セーラ自身は、裏方としての参加なので、初めての書割描きや、公演に伴う様々なパーティなどの雑用を引き受けていた。
ところが、伯母が大切にし、また伯母自身に似ている(事実、一族の女性が昔モデルをしたという)時下数十万ドルといわれるロムニーの絵が忽然と姿を消してしまう。状況から伯母宅を良く知る人物の犯行と見られることなどもあり、公演中止を回避すべく、その事実は伏せられたままセーラ独自の調査がスタートする。その矢先、愛すべき老人チャーリーが死ぬ。当初事故だと見られていたそれが実は殺人だとわかり・・・。
親戚が入り混じり、中にはこの公演のためだけにやとわれた女性などもおり、人間関係がわかりずらい。しかも、変わり者が多いケリング一族の面々でさえも眉をひそめる好色漢であるジョンが若い女性に妻と娘も見ている目の前で、公然とすりよるなどという見逃せない事態も起こりつつある。公演成功を目標にとにかく猪突猛進突き進むエマ伯母。それを支えるべくセーラは孤軍奮闘するのだが。
ごちゃごちゃしているのが難だけど、飽きずに最後までつうううっと読めてしまう。しっかりした面白い1冊。
    


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シャンディ教授シリーズ

やっと図書館がリニューアルオープン!
だのに、なかなか行くチャンスがなく、借りていた本の返却と予約本の借り出しにメガネさんが行ってくれた。
今回は、村上春樹さんの本2冊と、お友達のミーシャさんのところで再読熱が高まったカニグズバーグ全集から4冊と、鯨統一郎さんのと、北森鴻さんのと、よしもとばななさんと岡本敏子さんの対談と、女性作家10人による「執筆前夜」。計10冊。

その前に読んでいた本たち(全て再読)をざっと紹介。
シャーロット・マクラウド「にぎやかな眠り」(創元推理文庫、1987年・・もっているのは、1993年版):愛するシャンディ教授シリーズ第1作目。バラクヴァという町に住むシャンディ教授にとって憂鬱な季節であるクリスマスシーズンがやってきた。シャンディは56歳独身の大学教授、専門は応用土壌学。バラクヴァ農業
大学、および農業の業界においては、その研究成果である巨大なカブなどで有名人である。そんな彼がクリスマスに憂鬱になる理由とは、独り身の寂しさ・・などとは無縁だ。彼が住む町のあらゆる家がイルミネーションを点灯するのが問題なのだ。つつましく、静かなクリスマスを愛する彼にとって、派手なイルミネーションを飾ることや、ましてやそれを強制されることは我慢ならないことなのだった。ところが、今年、彼はその習慣にひどい仕返しを思いつき実行する。ひときわ派手で、いやらしく下品なイルミネーションを屋根や外壁に飾りつけ騒音でしかないクリスマスソングがエンドレスで流れるようにセットして、自身は旅行へ出かけようとしたのだった。
ところが・・・帰宅した彼を待っていたのは隣人でやかまし屋だった女性の死体だった・・・。
いやおうなしに、事件に巻き込まれるシャンディ。でもその理性はきちんと正解へと進んでいく。そして、その中で、たまたまであったヘレンに惹かれて行く・・。
登場人物の個性が豊かで、楽しい。初めてこういうタイプ(コージーミステリ)のミステリを読んだ当時、見事にはまったのを覚えている。ミステリとして・・というより、ユーモアのこもった物語として、ぜひ読んでほしい1冊。

「蹄鉄ころんだ」(創元推理文庫、1988年・・持っているのは1993年版):同じくシャンディ教授もの。第二作目。町で催される大規模な競技大会の季節がやってきた。といっても、地方柄、馬が大活躍する大会・・鋤競争、裸馬の競走、曲乗り、蹄鉄投げ。バラクヴァ農業大学は、向かうところ敵なしの強さを誇る集団だ。ところが、蹄鉄が誰かの手によって全てひっくりかえされ(幸運が逃げていくといわれる)金銀強奪事件が起こり、またみなに愛され大学で大切に飼育されてきた豚べリンダが誘拐される。そして、蹄鉄工をしていた女性が殺される・・・・。前回の業績(?)ゆえ、この事件を解決するように!と恐るべき学長からシャンディに命令が下る・・。
今回は、シャンディの同僚であり豚を愛して止まないストッと教授に目が行く。独特の個性もいいし、様々な事件の中で学長夫婦や、シャンディ夫婦、ヘレンの友人の出現など、もうほんとに盛り沢山。また、シリーズで常連になる人々が大体登場したともいえる。

「ヴァイキングヴァイキング」(創元推理文庫、1989年、持っているのは1992年版):シャンディシリーズ第三作目。ヴァラクラヴァで愛読されている新聞(週に一度発行)の記者であるスォープは老いてなおかくしゃくとしている老婦人(105歳)ミス・ヒルダにインタビューしていた。ところが、そこで怪しげな事故がおき、作男が死ぬ。例によって「怪しい死はシャンディへ」の合言葉がささやかれたのか、謎を解くべくシャンディに命が下る。しかも、おりしもミス・ヒルダの貧しい農場のはしっこに、ヴァイキングの石碑と思われるものが発見される。そのニュースが流れると同時に、怪しい死もヴァイキングの呪いだという噂がばっと広まり、シャンディの調査を妨害する。
シャンディの同僚で親友でもあるエイムズ、妻ヘレン、お馴染みの学長。入り混じっての大騒ぎ。そして思わぬ真相とヴァイキングの謎も解き明かされる。

「猫が死体をつれてきた」(創元推理文庫、1989年、もっているのは1992年版):シャンディの家の掃除を手伝ってくれているミセス・ローマックス。綺麗好きで自身も下宿屋を営む女性だ。その下宿人であるアングレーはヴァラクラヴァ大学の元教授であり、相当なしまりやであり、くちうるさく、また退屈な話を好んでしたがる老人。明らかにカツラである頭髪を地毛といいはり、それを指摘されることをことに嫌う。そんな彼のカツラをこともあろうに、ミセス・ローマックスの愛猫エドモンドがくわえてきた。慌ててローマックス婦人はアングレーの部屋に入り、その部屋の持ち主が昨晩帰宅しなかったことを知る。それもそのはず、当の本人は博物館の裏で死体となっていたのだ・・。
バラクラヴァの名士とされる人々で作られた排他的なクラブの一員であったアングレーはそのクラブの会合の帰りに事故に見せかけて殺されたことを(例によってなぜか怪しい死はシャンディの管轄・・今回は鑑識のようなことを化学の教授に依頼したりなんかもする)シャンディの指摘によって明らかになる。誰にも無害(その性格から嫌われてはいたが)と思われていた元教授にこんなことをする輩が??
謎が謎を呼ぶが、シャンディの英知は曇らない。はっきりいって、イライラするような人物が大集合の巻だけど、ミステリとしてもしっかりしていて、読み応えがある巻。

オオブタクサの呪い」(創元推理文庫、1990年、持っているのは1991年版):驚くべきことに今回は、ヴァラクラバが舞台ではない。そもそも、現代でもない。
はびこって大変な騒ぎとなったオオブタクサの調査のために、イギリスにとんだシャンディと同僚のエイムズ(同じく応用土壌学の教授)となぜかくっついてきたストット教授(畜産学部の教授であり学部長、豚を愛するゆえか?笑)。あくびをかみ殺すような会議が終わり長いドライブを経て、ひといきいれるべくパブに入ったシャンディ。
ところが、気付けばそこは、中世のウェールズだった!
そして、恐るべし学長トールシェルドそっくりの騎士「トーチルド」が登場。いなくなったグリフィンと彼のいいなずけシグリンデを探す手伝いをするハメになってしまう。吟唱詩人とされてしまうシャンディ、また老師となるエイムズ、またその助手となるストット。
ぷぷぷ。設定だけでも面白い。
そして、怪しい冒険を潜り抜け、幾つかの発明品(石鹸、弓など)を中世に残し、また時代を超えて、丁寧な推理を展開するシャンディ。今回も愛すべきエイムズ教授とストット教授が楽しい。シャンディ以上に面白い個性の二人が一緒ということが面白かった。情けないトーチルドも!
    
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コージーミステリにまみれて

暖かく湿った感じだった2日間が過ぎ、また晴天になりそうな空模様。
春のような雨が降った2日間だった。
霧雨。
海近くに住んでいるため、霧の日は霧笛が聞こえる。
ぽぉ〜ぽぉ〜という柔らかだけど大きい音。
耳に馴染んだ音。
海がない場所に住んだことがあるけれど、風の感じも違う。
海があると、吹き抜ける(山から吹き降ろす)感じ。
海がないと、風も空気もその場にたまっているような感じがした。
周囲を山に囲まれた場所だったからか。
  
本は、未だに海外コージーミステリ続き。
お菓子探偵ハンナシリーズを読み返し終わり、海の上のカムデンも再読終了、鍛冶屋メグシリーズも三冊読み、主婦探偵ジェーンジェフリィものも、実家からもってきたものは全て読み返した。また、今はシャーロット・マクラウドを次々に実家から持ち帰り、シャンディ教授と、セーラ・ケリングにまみれている。
散々読みふけりながら、訳者の力を感じる。
浅羽さんの訳が好きなのだ。
きっと、同じ原作でも、訳が堅苦しかったらここまで、はまらないだろう。

 
いろんなコージーミステリを読んでいるけれど、最もすきなのは・・と聞かれたら、どれだろう。どれも捨てがたい。
やっぱり、ジル・チャーチルのジェーン・ジェフリィものかな。
お隣のシェリィみたいな主婦になりたい!!
(実際には、ジェーンほどではないにしても、ジェーンに近いほうかと・・・とほほ)
ジル・チャーチルものでは、他に没落貴族兄弟が主人公のシリーズがあるけれど、やっぱりジェーン。もう続きは出ないんだろうか・・。
どたばたしながら、子供を育て家事をこなし、恐ろしいほどの行事スケジュールをこなしながら親友シェリィとミステリを解き明かすジェーンシリーズ。もっと読みたいなぁ。
あと、キャサリン・H・ペイジの料理人フェイスシリーズも好き。
お料理がおいしそうだし、フェイスが幸せそうで、ジェーンシリーズほどどたばたしていないところも、かえっていいも。



09:33 | 日々のこと | trackbacks (0) | edit | page top↑